近代麻雀オリジナル 12月号

オリジナル12月号
今月8日発売、のはずだが、めっきりコンビニで置いているのを見かけなくなった、キンマの迷い道くねくね。なんとか14日に入手。
今号は「麻雀であった笑える話(じゃんわら)」を前面に押し出して、竹書房の好調(らしい)な他雑誌、「本当にあった愉快な話」などを思わせる表紙。7月号に新連載10本でリニューアルしたものの、いまだに雑誌の方向性が定まっていない様子がうかがえる。

  • 表紙は安田弘之、松本ぷりゅう、秋吉由美子三ツ森あきらなど。4コマっぽい人選と思われる。
  • 巻頭グラビアは、キンマ12/1号に引き続き最強戦決勝特集。「麻雀を生業としているのだから、ある意味で彼もプロである」って苦しいなぁ。
  • 巻頭カラーは「全ツッパ!空仲晴夫」。桜壱バーゲンの個性の強い絵がカラーになると凄まじいものがある。話はきちんとしている。
  • 連載は以下のとおり(目次掲載順)。
  • もしかして締めなのか?「無限会社39ZANK」が急展開。もしこの連載が来月で終わるようなら、雑誌そのもの終わってしまいそうな悪い予感がする。
  • 今号の目玉と思しき「じゃんわら」。有元美保がキンマでやっている「雀荘で遭った愉快な話」の出張版のようだ。
  • 「シンケン君」は日経平均連動打法。
  • 地味に面白い「リーチ飛車取とり」。ミニスカ女子が可愛いということは良く分かる。
  • 「祈れ、最後まで」は最終回。もう少し連載を長めにとって、エピソードを膨らましたほうがよかった。潤いにやや欠ける終わり方。
  • 麻雀最強戦の自選記。7位に「かにマジンの麻雀やおよろず」(id:kanimajin)のかにマジン氏の姿が。ところで昔、孫子の兵法みたいな格言を老師からもらって戦う麻雀マンガがあったのだが(たしか田丸ようすけの『麻雀風雲録』)、氏は持ってらっしゃるのかしら。

【参考】

シャバダバ フーワー♪

フーワー

北京オリンピックのマスコットは「福娃(フーワー)」という5人?組で、左からベイベイ・ジンジン・フワンフワン・インイン・ニーニー。5人合わせて「北京歓迎nin(ベイジンフワンインニン)」北京はあなたを歓迎します、の意だとか。なかなか可愛い。
「フーワー♪」は「イレブン麻雀」でおなじみ、11PMのオープニングテーマの終わりの一節。人によって聞こえ方が違うらしく「ドゥワー」「ウーワー」などのヴァリエーションがある。

あまりにもくだらない、中国「独身節」の麻雀起源説

今日11月11日は、中国の「光棍節」。「光棍」とは独身男のことで、いわば「独身記念日」だが、もちろん正式に定められたものではなく、南京あたりの若者が始めたお遊びらしい。人民網日本版・2002年11月13日の記事、「【南京】11月11日「光棍節」に独身の若者が集う」によれば、

江蘇省南京市の多くの大学とカラオケ店などの娯楽施設は11日、大勢の独身の若者でにぎわい、休日よりも人出が多かった。この日は独身者のための「光棍節」(「光棍」は単身の例え)。
11月11日は「1」の数字が4つ並ぶため、独身者のイメージに近く、彼らはこの日をユーモアたっぷりに「光棍節」と呼んでいる。


http://j1.people.com.cn/2002/11/13/jp20021113_23196.html より引用

とのこと。日本の感覚だと、「非モテ祭」とかそういう感じになると思われる。
さて、とある中国のサイトで、光棍節特集が組まれていた。下の画像を見ればおおむねご理解いただけると思うが、

独身節特集の謎画像
光棍節には4本の揚げパンと中華饅頭を食べて祝う」とか、「光棍節アンケート:男は野蛮な女が怖くて、女はダメ男が嫌い」とか、いかにも馬鹿馬鹿しい記事が並んでいる。
中でもひときわ精彩を放つのが、光棍節の起源を3つでっち上げた下の記事である。そして3つの由来のうち、麻雀に関わるものが1つあったので紹介したい。

原文はいささか長いので、拙訳のみ。

◆独身節の由来その3:博打編◆


伝説によると、4人の男の人がいて、もちろん全員が独身だった。その上、女友達も恋人も、男友達の奥さんすらもいなかった。要するに全く女性と縁がなかった。
ある時、彼らは集まって、午前11時から夜11時まで麻雀をした。そこで不思議なことが起こった。勝ち負けはともかく、全てのアガリの牌が、四条(四索)だったのである。ロンでもツモでも、誰がアガっても四条(四索)。
ゲームの終わりに、一番負けた男が怒って、テーブルを叩いてこう言った。「四索四索四索、一体何だよ四索って!!」。他の3人は答えた。「四索四索だよ。他に何だってんだい?」


確かに、四条(四索)って何? と聞かれても、これは答えようがない。麻雀牌で四索といえば四索のことであり、四索って何、といわれてもどうしようもない。
しかし彼らが麻雀を終えて、一緒に風呂を浴びに行って、ズボンを脱いだ時、答えはすぐに出てきた。一番負けたあの男が興奮して風呂場で叫んだ。
「分かった、四索が何か分かったよ!!」


それ以来、この4人の独身男たちは、四索が何か分かった記念として、「光棍節」を設けた。ちょうどいいことに、この日は11月11日であり、暦の上では、まさにちょうど良く、多くも少なくもない、4本の…

中国語を少しかじった人であれば、もうお分かりだろう。もし意味が分からない人がいて、解説をお求めであれば、ネタバレになるが、↓をマウスドラッグで反転させていただきたい。
↓↓↓↓ここから↓↓↓↓
中国語の「条」は、日本語の「本」にあたり、細長いものを数える時の助数詞である。女性ではなく、4人の男がズボンを脱いで裸になったときに現れる、4本の細長いものといえば…
↑↑↑↑ここまで↑↑↑↑
…長々とお付き合いいただき、恐縮至極。


【参考】

  • たった1枚からでもご利用いただけます。izumick提供の便利なサービス「パイガ」(ブログに適当に牌画像をのっけるページ):
    http://www.jfast.net/~izumick/paiga/

錯食三兄弟

喰いしん坊4巻

「さ…錯食(さくしき)三兄弟だ!!」「噂には聞いたことあるが」
(中略)
「に…二筒四筒を、三萬でチーしたぞーーーっ!!」
「パ、八筒を、八筒九筒の上に乗せよったーーーっ!!」
七萬九筒八索で鳴き、その上に一筒を加順した〜っ!!」
(中略)
カンター(カンチャンターツ)譲二「こいつはエサだな!」

『喰いしん坊!』4巻(土山しげる)読了(冒頭画像参照)。熱く、ひたむきな大食いファイター達の世界に酔いしれる。特にラーメンマンと満太郎のエピソードは素晴らしいの一語。これを読まずして、今のマンガは語れないほどの傑作である。
麻雀の世界にも「食う」は大いに関係している。発声の「チー」は、中国語で「吃」、食べるという意味であり、「食い替え」「食い延ばし」「クイ鎌」など、関連語は数知れず。ただ、大食いと違ってよく食べる人が勝つとは限らないのが麻雀の面白さでもある。

id:hirotashi氏のようこそシリーズ第7弾「加順麻雀」

ヒロタシ氏(id:hirotashi)は世界有数のフェアリー麻雀*1ルール作家。「ようこそ〜麻雀の世界へ」という題で披露される変則ルールの数々は、その独創的な発想力と確かな整合性で、業界を震撼させている。
【ヒロタシ氏のようこそシリーズ】

  1. めくるめく重複麻雀: http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20040727#p1
  2. 麗しき除去麻雀: http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20040805#p2
  3. 馨しき変色麻雀: http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20040825#p1
  4. 逞しき宇宙麻雀: http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20050720#p1
  5. 華々しき塔頭麻雀: http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20051004#p1
  6. 狂おしき跳子麻雀: http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20051102#p1

そして今月5日に公開された最新作が、「加順麻雀」。コーツに加槓するように、順子にも加順するという恐ろしいルールである。

上記のエントリーを読めば一目瞭然なのだが、氏の素晴らしさは、「これはやれそうだし、面白そうだ」と思わせる細かさにある。変則ルールにありがちな、整合性を欠いた取り決めや分かりにくさとは無縁の、練りこまれたアイディアがそこに示されている。
そして氏は、フェアリー麻雀のルールだけで大会を開くことも検討中だという。実現すれば画期的なことだが、彼のルールであればけして不可能ではない。
もし興味を持った読者の方がいらっしゃれば、いちど仲間うちで遊んでみて、ヒロタシ氏のところにコメントを寄せていただきたい。そして大会開催の暁には、ぜひぜひご参加を、と氏に代わって勝手にお願いしてみる。
自分は氏と個人的に親交があり、そのレベルの高さは十分知っているつもりだったが、このルールにはビックリした。という訳で、改めてここに紹介した次第。
【参考】

*1:変則麻雀

橋本先生、がんばってください。

『剣師』『麻雀鬼ウキョウ』『麻雀白虎隊東』で有名なマンガ家、橋本俊二先生のマンガの仕事がなくなったらしい。

先生は雑誌「月刊GOLFコミック」で「青山薫の『これが打ちた〜い』」という連載を持っていたのだが、今月4日発売の12月号で終了。その後の予定も未定とのことで、仕事情報は、「しばらくの間は"自称"漫画家となりそうです。」と自虐的な言葉で締められている。
先生はマンガ家であると同時に熱心なボディビルダーでもあり、ボディビルのページでは鍛え上げられた素敵な姿を披露している。そんなことから「マンガよりも作者の方が面白い」などと揶揄されたりもするが、作品に関してはとてもナイーブで、思い入れが強い。
実際、漫画のページの各作品の解説では、とても詳しく連載当時の状況、内容の変化について語っている。特に近代麻雀に連載された「剣師−刃上の渡世人」のそれは、ハンカチなしには読みおおせない、と業界中の涙を誘った。
一人の麻雀マンガファンとして見ると、先生はもっと面白い麻雀マンガを描けるし、実績もある。世の中は麻雀ブームなので、需要もある。ちょうど「さんごくし」が終わったチャンピオンあたりに売りこんでみてはいかがだろうか? と勝手に提言してみたい。
【参考】

透ける東 イン ザ クローゼット

スケルトンインザクローゼット

コクシ「俺 今 場に東がゼンイキ*1なのに気がついた
     南西北白發中一萬九萬一筒九筒一索九索九索
     でも ダメだ、相手がカンチャンじゃ!」
(相手 一萬一萬一萬二萬三萬四萬六萬六萬六萬六萬七萬八萬九萬

ノハナ「何言ってんの 『カンチャン』なんて関係ないよ
     ゼンイキって分かっているだけでうれしいでしょ
     あと、相手はカンチャンじゃなくてカンチャン+タンキよ(五萬九萬待ち)。」

牌が透けて見える男と、麻雀好きな女の子が織り成す、ハートフルなラブコメディ、なわけないじゃん。
岩本ナオの初単行本、『スケルトン イン ザ クローゼット』読了(冒頭画像)。控え目な線と話に見えるが、実は心温まる良品。「雪みたいに降り積もる」の「テトリスとつきあっているってうわさ」に大笑いした。いいなぁ。

*1:全て牌山にある状態